この住宅では、一部に土壁を採用している。

まずは、荒壁土をつけるための竹の小舞下地を造った。

小舞下地は竹、竹と茅(ススキや葦)、雑木の枝などを藁縄で編んでつくる。

福井では、茅を用いた小舞下地を見ることが多く、そうした建物を修繕する際には、上の写真のように茅小舞として直すことも行うが、竹の小舞下地が一般的になっている。

土壁は、自然の柔らかい表情を見せて、構造壁としても有効に働く。 
木も同じように、自然の仕上げ材で、また、構造材でもあるので、その組み合わせで建築を造ることは理想的で、日本の建築はこの組み合わせで造られてきた。 
  
ただ、近年の合理性と経済性を優先する建築現場では、工期が長く、制限も多い土壁は、ボードを下地とする簡易な方法にすっかり代わってしまった。 
  
また、昔の土壁の家は 
「あちこちに隙間があって、寒いし暑い」 
というイメージと現実があるのも事実で、文化財建造物の現場以外では、使われることのない工法になってしまい、土壁を造るための材料と職人も無くなる寸前にまでなってしまっている。 
  
しかし、最近では、現代的な断熱材や構法と土壁を組み合わせて、構造的に強くて、省エネルギーを考慮した家づくりに取り組む事例が増えてきている。 
  
この家では、土壁が持つ蓄熱性を利用して、薪ストーブと組み合わせることで、暖かい住宅を目指している。 

薪ストーブの背面の壁一面を厚みのある土壁にして、それを蓄熱体にすることで、家全体の熱効率を良くすることができるのではと考えている。 
そのため、土壁の外側に断熱材を入れることにして、隙間風も入ることのないようにしている。

今後、春を待って壁土をつける予定にしている。

2018.01.20