建物の経年劣化を理解し、計画的に維持保全をして、次世代に建物を継承する

日本の伝統建築物には、築1000年を超えるものが存在します。 
木材は湿気で腐朽しやすい性質があるため、世界的に見て奇跡のような存在です。

特徴として、雨雪で傷みやすいので、軒の出の深い屋根をつくり、濡れやすく汚れやすい地面に近い壁は板で覆い、屋根は火に強い瓦を葺きます。内部は、地面から高さをとって床を張り、下足を脱いで清潔に保ち、建物を大事に使ってきました。

それでも腐朽した時には部分的に修繕をして、場合によっては、構造部の取替えという木造ならではの工事を繰り返して、建物を長持ちさせてきました。

この日本の伝統建築が築いてきた、持続の為の「技術と知恵」を取り入れて、人生80年を支える住まいつくりに取り組んでいます。

柱、梁・桁など構造上主要な部分には、木の繊維を傷めるボルト等の使用を最小限にして、木と木を組み合わせる日本独自の工法「継手仕口」を用いて組み合わせます。 

長持ちさせることを目的にして、伝承されてきた工法ですから、後の修繕、改修工事において、解体、再組込み、調整が容易です。

構造材としての木は、そのまま化粧材として使うようにしています。

時間の経過で古く汚れ、劣化していく新建材とは違い、色艶が変化し、風合いが出てきます。

化粧の構造材に合わせて、漆喰などの塗り壁や無垢の木のフローリングにすることで、時間の経過が雰囲気に変化する空間になります。

外壁に県産材の杉板を使用した場合…

維持管理の方法は、5年から10年ごとの塗装の塗り重ねで、腐朽することがなければ50年以上は問題なく使えます。
また、傷んだ箇所は1枚から交換できますから、維持が最も容易な方法と考えています。

サイディングなどの建材商品がイメージの劣化で更新されることが多いため、長期間で比較するとメリットがあります。