木材の特性を活かして建築を組み上げる

墨付けと手加工

山に生えている木を成形して材料にしますから、真っすぐなモノ、狂いのないモノ、同じものはありません。 
その材木を1本1本、手と目で確かめ、適材適所を考えながら、手作業で木造りの準備を進めています。

鉞で丸太をはつる作業

自然の木は1本1本に特徴があります。

強い木、弱い木、腐りやすい木、耐久性の高い木…樹種によって使用する場所が違ってきます。
同じ樹種でも、反り、痩せによる寸法のくるい、節による欠点、目(繊維)の流れ…材料として使えない場合があります。

木の特徴を判断して、適材適所を確認することから全てが始まります。

力のかかる小屋梁などには、丸太のまま使った方が強度が期待できます。

木の曲がり、根元の太さ、木が持つ特徴を生かした木組みで、強くて柔らかい空間を造っています。


柱、梁・桁など構造上主要な部分には、木の繊維を傷めるボルト等を使用しないで、木と木を組み合わせる日本独自の工法「継手仕口」を用いて組み合わせます。 
長持ちさせることを目的にして伝承されてきた工法ですから、後の修繕、改修工事において調整が容易です。

継手と仕口

伝統的な木と木を組み合わせる方法ー「継手仕口」を採用しています。
昔ながらの建物を長持ちさせる大工技術の継承に努めています。

木組みの建て方

材料の欠損と結露を誘発する恐れがあるサイズの大きいボルトの使用は極力避けています。

使用箇所に適した伝統的な「継手仕口」で木組みによる建物造りを行っています。

材料一本一本の特徴を確認しながら、「継手仕口」による木組みを採用するため、伝統的な大工仕事ー「墨付け」と「手刻み」による建物造りに取り組んでいます。

手斧で仕上げた丸太梁