築100年を超える茅葺民家の台所を改修した。キッチンの収納部もあわせて、現場で組み立てる様子をまとめた。

材料は県産杉の積層材で既成の幅が600mmなので、現場で+50mmと+300mmをはぎ合わせて、それぞれ650mmと900mmの幅広の材料に加工した。

県産杉積層材はそのままの状態が綺麗なので、キッチン以外の家具を作成するには色付けをしないが、キッチンでは製作後、25年から40年の長期間の使用が考えられるので、汚れが目立たないように、また、自身でメンテナンスがしやすいことも考えて自然塗料で濃い目の色をつけた。

IHコンロ側のテーブルカウンター、幅900mmで長さが2200mmほど。

窓際の壁一列にシンク部と収納部を並べていく。

高さ850mmの位置にシンク天板を掛けている。右コーナーはレンジ等の家電収納。

今回は手前のアイランドにコンロを組み入れたテーブルを設定している。
焼く、煮るの調理を皆で囲みながら行い、つくる食事の楽しみを優先している。高さはダイニングテーブルと同じ750mmにしているので、椅子を配置すれば食卓としても使える。

今回は予算を抑えるために収納の扉や引き出しは付けていない。既製品の収納カゴの種類が豊富なので、十分対応はできると考えている。
キッチン脇(以前の台所)に納戸を設定し、そこに冷蔵庫も入れた。その分、キッチンが広くなりスッキリもした。
古民家特有の幅広の差鴨居が入っていて、それを利用してコンロ上のレンジフードを設置している。

明治に建てられた茅葺民家に、最小限の現代の機能的なキッチンを合わせていった。

2023.02.25