福井の嶺南地域(南西部)では、今でも茅葺き屋根を見ることはできるが、嶺北地域の福井市周辺では、今でも残っている茅葺屋根の住宅は少ない。

写真の住宅は、お施主さんによると、明治20年頃に建てられ、昭和16年頃に内部の改造が行われたとのこと。

茅葺の屋根はトタンで被われているが、鉄板の劣化が進み、大風で一部が外れているため、応急処置で屋根の機能を保っている。外壁の漆喰もところどころ損傷しているが、その修繕は次にして、今回は内部の修理と改修を計画している。

妻入りの玄関を入ると板敷のヒロマ(ニワ)があり、台所と二分されている。ニワの奥は4間取りの座敷と仏間で、さらにその奥に仏事用の諸室がある。

小屋組の梁桁は、ススで黒くなったものと汚れが少ない材とで構成されているため、明治の建築工事は既存の住宅の改造、または、移築材を利用した工事だと思われる。

畳を外して床の下地を解体した様子が上の写真。

日当たりと風通しの悪い西側の不朽が激しく、根太の取り替えが必要になったが、出来る限り既存の材を利用するようにしている。

不朽材を搬出して、床下をきれいにして、大引きの高さを揃えて、根太を打ち直し

床板を戻した。

この後、キッチンを据えるために、腐朽部・不陸部の修繕を進めていく予定。

2023.01.18