この秋に行っていた小舞土壁の荒壁の乾燥を待って、中塗りまでの作業の様子。

壁際の空き予防のため暖簾(ノレン)。

養生テープが仕上げの面なので、少し下がった位置に打ち付けている。

荒壁土が十分乾燥して細かいヒビや際に隙間が出てくるのを待ってムラ直しする。ムラ直し用の土は、中塗り土にふるい砂とスサを入れたもの。

そして、また十分に乾いたのを待って中塗りを行っている。 
中塗り土は淡い茶色で、このまま仕上げにすることもあるが、ここでは漆喰仕上げの下地になる。 
この後の砂漆喰下地と漆喰仕上げについては、来春の二期工事に併せてすることにしている。 

裏面の外壁の漆喰壁が割れていたところや剥離していたところの修繕もほぼ完了している。 
また、痛みの激しかったトタン板を杉の下見板貼りにしている。 
下見板は本来なら縦貼りにする方がいいのだが、本堂裏面は毎年、屋根の落雪で押されるので、痛んだ時の部分取り替えを考慮すると、箱下見がいいと思う。 
パネル方式で取り付けられるので、簡単に取り外せて一枚から杉板の交換ができる。

柱間が広いために壁のしわりが大きく、漆喰壁が割れやすい原因になっていた。 
そこで、内部に半柱を建てて補強も行っている。 
  
これまでの漆喰仕上げの土壁が90年ほども保ってきたので、今回の壁も同じように残ることを心から願っている。

2016.11.25