1月29日から30日にかけて、かなりの雪が降り、除雪に追われた。
次の日からは、曇り・晴れ・雨との予報はあるが、これだけの雪が水気を帯び、さらに積雪があると屋根にかかる重みが増して、構造に損傷を与えることになるので、雪が軽いうちに屋根雪降ろしをした方がいい。
腰上まである雪をかき分け屋根に上がり、足場を作りながら進めていくが、屋根からの転落の危険が高い作業になる。
屋根雪については、
1.建物周囲に貯雪スペースを取り、屋根勾配を強くして、自然落雪させる方法
2.小屋組を補強して、屋根上に積雪させておく方法(ただし、木造では積雪2Mが限界)
3.積雪1Mを超えたら、屋根雪降ろしを条件にする。
4.その他、運を天に任せる方法など…
が考えられ、1から3の方法をこれまで検討してきた。
それぞれに、一長一短があるので、クライアントとよく話し合い方法を決定してきたが、茅葺の屋根ではどうか。
修繕を進めている茅葺民家の屋根は、すでに茅を鉄板で覆っているので、急勾配の屋根には少しの雪もない。
その分、軒下に大量に積雪が積み上がっていくので、雪をすかす作業が必要になるので、屋根からの転落の危険性は無くなるが、作業が楽になることはない。
さて、茅葺のままの屋根では、どのようになっているのかと思い、現場から近い茅葺民家(国指定重要文化財の旧木下家)に行ってみた。
数年前に茅を新しく吹き替えているが、この程度の雪は屋根に残る。
除雪作業を進めていた勝山市の関係者に伺うと、さらに積雪があると地上の雪が屋根に繋がり、屋根上で積雪が増していくため、屋根雪降ろしが必要になるとのこと。
前に、茅葺き屋根でも屋根雪降ろしをした、とは聞いていたが、急勾配の屋根に上がることはできないので不可能だろうと思っていた。
勝山市の担当者の話では、
以前は、わからないが、軒先まで地面の雪が積み上がっているので、梯子を屋根にかけて屋根の足場にして作業をしたとのこと。
なるほど、万が一落ちても、雪の滑り台を落ちる程度か…疑問は残るが…。
さて、この冬一番の寒波は、1mをゆうに超える氷柱を見せてくれる。
子供の時、できるだけ根本から取り、剣にして、その長さを自慢したが、今日はやめておく。