①建物の経年劣化を理解して維持保全を計画的に
②伝統建築の大工の技で直して使い続ける建築に
③地域の技術に支えられる建築を
①建物の経年劣化を理解して維持保全を計画的に
日本の伝統建築物には、築1000年を超えるものが存在します。木材は湿気で腐朽しやすい性質があるため、他国には無い奇跡のような存在です。
![](https://sai-ws.jp/wp-content/uploads/2023/04/24263ec6b274a289cb432b01aa206431-600x337.jpeg)
腐朽した時には部分的に修繕をして、時には構造部の柱や梁を取替えて、建物を使い続けることを前提に大工技術が発展してきました。
この日本の伝統建築が積み上げてきた「持続のための技術と知恵」を取り入れて、築後30年前後で壊されてきた使い捨ての建物から、持続可能な維持保全で長く使い続ける建物を理想にしています。
②伝統建築の大工の技で直して使い続ける建築に
柱、梁・桁など構造上主要な部分には、ボルト等の使用を最小限にして、木と木を組み合わせる伝統的工法「継手仕口」を用いて組み合わせます。
長持ちさせることを目的にして、伝承されてきた工法ですから、後の修繕、改修工事において、解体、再組込み、調整が容易です。
![](https://sai-ws.jp/wp-content/uploads/2018/01/DSC05652-600x400.jpg)
③地域の技術に支えられる建築を
![ガルバリウム鋼板の屋根と杉下見板の外壁](https://sai-ws.jp/wp-content/uploads/2022/01/rks00sp-e1674368272553-600x400.jpg)
地域固有の建築工法があります。
例えば、
裏山に杉の木が多いので、杉板で外壁をつくる。
雪が多く重いので柱梁を木太い木組みにする。
杉板は5年から10年ごとの塗装の塗り重ねで、50年以上は問題なく使えます。また、傷んだ箇所は1枚から交換できますから、維持が最も容易な方法と言えます。
このように地域の風土に根差す材料と技術で建物をつくることで長く使うことができる建築を目指しています。