①身近にある自然素材を材料にして維持管理がしやすい建物へ
②里山を守り長持ちする木造建築に
③維持管理を明確で簡易に、ライフサイクルコストを抑える計画

①身近にある自然素材を材料にして維持管理がしやすい建物へ

裏山から切り出される杉の木

地域で育った里山の木、簡単に手に入る土、地場産業の瓦や和紙などの身近な材料でつくられた建物は、修繕・補修工事の時も、地域から材料が容易に入手できるため、維持管理がしやすい利点があります。
また、里山の木は、毎年の雪と大風で淘汰され、強い木だけが生き残ります。その中から建築にふさわしい木をさらに選別して木材にします。

②里山を守り長持ちする建築に

ここ数十年間の安い外材の利用は、里山の森林を荒すことになり、近くの自然とは縁のない木造建築になってしまいました。
遠く海外で工業製品化された材料で造られる建物は、約30年毎に必要になる修繕・補修工事の際に、材料が手に入るのかは不透明です。
里山を守り、森林資源を持続可能にすることが、建築を持続可能にして、住宅の長期の安定につながります。

丸太の加工

③維持管理を明確で簡易に、ライフサイクルコストを抑える計画

ムクの木の柱やしっくいの左官壁は時間に負けない柔らかい表情を見せてくれます。もしかすると時間の経過は、「味わい」「風格」になって愛着も感じます。自然素材で造られる建築には古さに負けない良さがあります。

県産材の店舗

流行りの工業製品・建材を多用した住空間は10年も経てば、古さ汚さが目に付くようになります。

建物を維持していくには定期的なメンテナンスが必要です。維持管理にかかるコストも建築の費用です。
建築時のコストに維持修繕・補修のコストも考慮して”ライフサイクルコスト”として捉え、そのトータルのコストを抑えることがローコストになります。

木、瓦、土、竹、和紙…など、地域に根差した材料と 、風土の中で培われてきた技術で建物をつくることが大事だと考えています。
維持管理が容易で、時間が経つほど愛着がでて、そして次世代に受け継がれる木造建築へと、短期間で解体される建物から長持ちする建物が長寿化社会には必要です。

瓦と杉下見板