梁桁に使う丸太を「まさかり」で加工している。
山で伐採した木を適度な長さに切り、搬出されて 「木材」 になる。
材木市場では丸太の状態で取引され、その丸太が製材所で「角材」に製材される。
製材機できれいに加工された角材からは、元の状態(丸太)を想像することは難しく、切り出された森林を意識することは少ない。
自然の環境の中で、長い年月をかけて少しずつ成長する木は、ねじり、曲がっているが、そのことも真っ直ぐに製材されると隠れてしまう。
山で切り出された木を丸太のまま仕入れ、できる限り「そのままの状態」で材料として使うことで、この建物が里山とつながっていること、住環境が自然の一部であることがわかる空間にしたいと考えている。
地松と福井県産材の杉の丸太12本を、昔ながらの最小限の手加工で梁と桁にしている。
皮をむいて
鉞(まさかり)ではつっている。
木と木を組み合わせるために、垂直と水平の「面」を出す必要があるので、角材に近い形になるが、少しずつ、一枚一枚皮を剥ぐように加工をするため、繊維の流れに沿った形になり、目切れにならないので木の強さをそのまま使うことができる。
鉞ではつった面には、一打一打の痕が残り、自然の木が持つ、柔らかくて力強い表情がよく表れている。
2018.12.08