建て方を行った。
これまで、この日に向けてすべての準備をしてきたが、天候についてはお天道さんにまかせる他はなく、一週間ほど前から天気予報を確認しては、それが良いと安心し、少しでも悪くなると心配することを無駄に繰り返してきた。
当日は、ありがたいことに雨、雪が降ることもなく、建前をむかえることができた。
建物中央に松丸太の梁を配置して、これに県産材の杉丸太を架けて2階の床を受けている。
梁と柱の仕口は長ほぞに鼻栓を打つ。
丸太の仕上げは鉞(まさかり)ではつり、柿渋を塗っている。
山から切り出してきた丸太に最低限の加工を施した状態なので、力強さとこの建物が自然環境とつながっていることを表したいと考えた。
通し柱に対して3方向から梁桁が差さるため、柱の断面の欠損を少なくするために、高さを変えている。
通し柱を挟んで床梁と床梁を長ほぞで継いでいるため、柱を倒しながら差し込む。
2階屋根は登り木をかけて、勾配天井にする予定。
ほぞを組み合わせて、込栓で納める。
長期の耐久性を目的に、出来る限り金物を使わない方法で、この建物を組み上げている。
伝統的な 木工法にはその知恵の蓄積があるので、その基本的な考え方に従い、時間と手間を惜しむことなく、この日のために準備をしてきた。
2019.01.19