1月8日から北陸地方で大雪になり、平成30年の時のような交通渋滞が北陸自動車道で発生し、福井県内の一般道では、トラック・一般車両があちこちでスタックしていた。
生活道路の確保のための除雪作業が総動員で行われていたが、除雪の後からも雪が降り積もり、圧雪された雪と、車線が狭くなり、すれ違いが困難になったことから、一般道でもいたる所で通行止になった。

降雪が収まり、市街地の除雪作業の邪魔にならないように、可能な範囲で建物の確認に行った。

永平寺町内の住宅。
前面道路の除雪は行われておらず、圧雪が30センチを超えていて、自動車で入ることが難しかった。
スパンの広い倉庫部が心配だったが、すでに屋根雪が降ろされていて安心したが、屋根瓦の雪止めより先端の雪が滑り落ち始めていて危険なので、お声をかけさせていただいた。


大野市の住宅。
多雪地域のため、市の除雪がしっかり行われていて、前回の大雪でもそうだったが、大野市、勝山市の方が運転がしやすい。
危険作業の屋根雪降ろしをしないように、貯雪スペースを空けて、自然落雪させているが、今回のように2mほどの降雪があると、雪で建物が埋まるため、敷地内の除雪が重労働になる。
雪が高く溜まりすぎると、重機でないと除雪ができなくなるので、頻繁に作業を行う必要がある。この住宅のように、前面に用水路があると処理が、まだしやすい。


福井市街地の住宅。
福井市街地でも1mほどの降雪があったので、生活道路に除雪車が入るまでに時間がかかった。除雪がされても、高く積まれた雪の処分がされないと車線が広がらないため、自動車の通行がほぼ一方通行の道路ばかりになった。
この住宅においても、危険な屋根雪降ろしをしないように、2mほどの貯雪スペースを空けて建物を配置し、自然落雪をさせているが、前面道路にまで雪が広がっている。
建物桁位置に雪止めを入れて、軒先の雪だけを落雪させる方が良かったのかもしれないが、雪が2mに迫ると雪止め内の雪を降ろさないといけなくなるので、条件の整理が必要になる。


福井市街地の住宅。
大雪後にかなり時間が経って、前面道路の除雪がされたが、1車線の確保が精一杯で、すれ違いが出来ないため、道路の空いたところを見計らって伺った。
2階の主屋部の屋根は雪止め瓦を入れて雪を載せたままにして、被害が起きやすい軒先は鋼板屋根にして、1階下屋の屋根に落雪させている。
1階下屋の屋根の軒先も深く出しているので、この部分だけは1mを超える雪があると降ろしていただく必要がある。
引越しをされて、始めての冬に大雪に見舞われたので、お声をかけさせていただいたが、下屋の屋根雪は既に降ろされていた。
下屋屋根の勾配を緩くして、2階窓から出入りできるようにしているが、屋根上がほぼ平らで、地面となんら変わらないために、小さなお子様も屋根に出ているようなので、少し心配になった。


多雪時の住宅の在り方については、まだまだ検討することが多く、多くの方々からの意見を伺いたいと願っています。

2021.01.20