土蔵の修繕

 
土蔵の壁の修繕を進めている。
 
 
 


 下見板に穴が開き、取り外すと土壁にもかなりの痛みがある。
 
 
 

 角柱の周辺の下地の貫と小舞竹は取り替える必要があり、角柱も外側にズレていて、壁も外に膨らんでいるので、元の位置に戻さないと下見板を掛けることができなくなっている。
 
 
 

 まずは、土を落として、折れている下地を取り除き
 
 
 
 

上部の土壁が落ちないように補強で受け、貫を新しく入れ替えた。
  
 
 

使われていた丸竹が比較的細く、径の近いもので補強をしたり入れ替えて下地を整えた。
  
 
 

最近では、荒壁土の用途が一般的でなくなったため、ドロ土の用意にはかなりの時間がかかる。
施行時期も壁土の乾燥に影響するので、わずかな修繕にも長い準備期間が必要になる。
 
 
 

土蔵の土付けは、ソフトボール大の泥だんごを投げつけるようして、厚みのある壁土を積み上げていく。
作業は、土を丸める係と塗りつける係の二人一組。
 
 
 
 
 

写真は乾燥10日目、少し乾いてきて割れも入ってきたが、大ムラ直しまではまだまだ。
 荒壁土に厚みがあるので、乾くまで待つことも仕事の一つの工程。
 
 
 
 
 

 2020.08.01

 

 完成に向けて_福井市の家・ヒライリ

 
お引渡しの日が決まり、完成に向けて仕上げを進めている。
 
外部木部の防腐塗装は、2回目が完了し、足場を外したので、全体を見ることができる。 
 


 杉の下見板と越前瓦の外観は周囲に溶け込んでいて、これまでもここにあったように、時間にも溶け込んでいる。
 
 
 

 裏側に小さな庭を空けていて、その大きな開口から光と風を内部に取り込む。
 多少の雨でも窓を開けたいので、庇を大きく持ち出している。
 
 
 

 直射日光が入る窓には、庇が覆い被るように取り付く。
 2階部分の外壁の下見板も、定期的にメンテナンスのための塗装が必要になるので、屋根に上がることで済むようにしている。
 
 
 
 

居間、台所の壁の漆喰塗り。
構造材の木が現しになっているので、組み合わせが美しい。
  
 
 

廊下との境にスリガラスを入れて、自然の光を中まで取り入れている。
  
 
 

 L字のキッチンで、居間と台所をわけている。
キッチンの正面壁にモザイクタイルを張るが、金箔のような光の反射が面白い。
 
 
 

 クライアント家族と打ち合わせを重ねながら作った今回のキッチンは、使い勝手だけでなく、光や楽しみといった雰囲気の広がりを意識している。
 
 
 
 
 

大きな部屋を収納家具で2分している。
将来必要がなくなれば、取り外して元の1部屋にして、その時々の状況に合わせた住まい方が可能になることが大事と考えている。
 
 
 
 
 

 2020.07.25