織田の家
福井県丹生郡越前町織田は織田家一族の発祥の地ともされ、剣神社や越前焼きの古竃等、時間の積み重ねを感じる地域で、住む人たちのつながりも深い。この家はこの地に暮らし住み継ぐご家族の建替え計画としてスタートした。
家族構成はご夫婦と3人の子供たち、時々来られるお母様の6人。
前面道路は狭く通行量もあるため、道路側に水周りを集めてそれをクッションにして主要な部屋を配置している。
仏壇を構える座敷とそれに続く畳の間が南側の広縁を挟んで庭に面し、田舎家の風情を強くしているが、普段使いの座敷になるように、テレビやコタツを設えるようにしている。
1階の中心に設置した対面式のキッチンは腰壁や垂れ壁の高さを調整し、キッチンの雑然さが家中に伝わらないように注意した。
各人の寝室を2階にし、階段を吹抜けと組み合わせたオープンな形にして、子供たちの動きもダイナミックになるようにして、お互いに声のかけやすい空間にしたいと考えた。
いずれ子供たちが成長し巣立ち、または住み継がれ、年老いて次の世代に引渡していくモノは何があるのかを意識しながらこの計画を進めた。