スゴヤー永平寺の家
 
直屋(スゴヤ)造りは平面が長方形で、最も基本的で、古民家の原型とも言える。
 
直屋(スゴヤ)造りから必要となる所室を張り出し、または付き出すことで、民家は大きく、複雑な形態になっていくが、基本は直屋の平面部分が中心となって、外へと大きくなっていくことで日本の民家は近世、近代へと変化を見せる。
 
この長方形の平面形態は、現在の住宅の計画にも、当然、受け継がれていて、新しい建築としてバリエーションが豊富になっているようで、基本はあまり変わることはなく、生活の様式は大きく変化する中で、家の基本的な形態は、今も昔もさほど変わってはいない。
 
だからと言って、新しく変わることのない今の住宅を問題としているわけではない。
むしろ、大きな問題がないのなら、日本の伝統的な住まい=古民家の基本的な部分を捉え直してみたいと思った。
 
敷地は永平寺町と福井市の境にあり、ゆとりのある十分な大きさで、農業用水路に隣接しているため、周辺にも開けている。
建主はご夫婦と小さな子供の若いご家族で、子育てをしながらご夫婦ともに働く生活のスタートを切ったばかりで、これから様々に変化をしていくことが予想される。
 
今後、変化していく生活を包み込む住まいの第一段階として、基本的な部分を用意し、将来に対する予備として、住まいを複雑にすることは最小限にした。
また、材料は無垢の木材や土壁、漆喰など経年変化に耐えうるものを使い、修繕を繰り返し、長く使えることのできる住まいを目指している。