ヒライリ
 
平入り(ヒライリ)とは、玄関入り口を正面に見て、屋根の形状がどのように見えるかで分類される、木造建築の独特の表現のこと。
 
 玄関正面から屋根を見て、三角形が見えたら「妻入り」、軒先の水平線が正面にあり、屋根葺き材料(瓦など)がよく見えたら「平入り」と呼ばれる。
 
伝統的な町並で、隣家との間隔が狭く、軒先が連なるような町家には平入りが多くなる。
 
敷地は福井市内の閑静な文教地区にある。
家族は夫婦と子供二人で、ご両親の訪問も期待されるので客間も必要になり、駐車2台分を全面道路側に設定すると、開口部に配慮が必要となる。
 
京都に見られるような、町家のレイアウトを参考に、前面から背後に通り土間のような通路を通し、背面に坪庭を作ることで、風の通り道をつくった。
プライバシーを守るため、1階部分の開口部が少なくなった分、吹抜け上部の窓からハイサイドライトを取込み、さらにスリガラスの間仕切りで内部に太陽光を拡散させている。
 
クライアントのご主人の生家が、今も現役の古民家であるため、伝統的な木造建築に対するご理解が深く、子供達に残せる家づくりを目的の一つとして打合せを重ねて完成になった。