これまでの本堂。1階はピロティになっていて、駐車場と空調機が置かれていた。
左側が鉄筋コンクリート造の耐震壁
スリガラスと縦格子で内部に充分な光が入るようにしている。
入口は入室管理ができるようにカードキーシステムを採用。
檀家の方々が自由にお参りができるように対応。
浄善寺 本堂耐震補強、納骨堂整備工事
鉄筋コンクリート造の本堂の耐震補強のため耐震壁を設け、その壁で区画される場所を納骨堂にする計画です。
浄土真宗本願寺派浄善寺の本堂は鉄筋コンクリート造２階建てで、１階部分が駐車場のためのピロティになっていて、本堂は階段を上がった２階部分にあります。
この本堂は、昭和54年に建てられているため、構造の基準としては古い基準に依っており、現在の新耐震の基準では「極めて稀に発生する大地震」時に倒壊または大きく損傷するおそれのある建物に判断されます。
本堂前にあった既存のコンクリートブロック造の納骨堂を移設し、本堂前を広く整備したいとの長年の希望を受け、耐震診断の結果により必要とされる耐震補強と納骨堂を一体として計画することにしました。
１階駐車場ピロティ西側半分を納骨堂のために耐震壁で区画し、既存の納骨堂の床面積を大きく広げ、納骨壇を設置しました。これまで合葬式で納骨していた形式から、檀家の希望にあわせて個別に納骨も出来きる納骨壇を導入できたことにより、お墓に対する考え方の幅が広がり、生前中の判断と選択の助けにつながります。
中心市部、農村部共に人口が減少し、檀家の数が減り、寺院の状況も厳しくなる中、次の世代への新しい関係性の形成に繋がることを願って計画しています。