所有林を切出して家を建てる
建築主の所有する山の木を切り出して住宅をつくる。
一昔前なら当然のように行われていたことが、見られなくなりました。
その原因は、低価格の輸入材に取って代わったことや、簡便な建材品への移行など、住宅の商品化が進み、建築の作り手が売り手に変わり、建築主が消費者として立場が変わったために、家づくりへの意識が大きく変わったことにあります。
裏山の環境保全が注目され、戦後植林された木の利用がバイオマス発電で進められていますが、理想は住宅関係で木が多く利用されることで可能になる、長期で大きな循環型の木の活用方法です。
自分の持ち山にある木で自分の家を作ることは、あたりまえの話ですが、祖父、またはその先代が植林した木で家を造ることですから、その巡り合わせには、ありがたみがあります。
所有林で家を建てる。あたりまえのことであり、また、どこか特別なプロジェクトです。
2005年4月5月 木造り
建て方に向けて、接ぎ手仕口などの加工をします。
その際に、材料1本1本の曲がり、反り、ねじれ、節の位置などを確かめて、適材適所になるように部材を加工します。