専福寺 鐘楼門修繕工事
 
福井県大野市に建つ一間一戸の楼門。
入母屋造、桟瓦葺きの屋根の痛みが目立つようになり、初層部分の柱や虹梁の不朽もあり、維持保全を目的とした修繕工事。
「楼」は重層にして背を高くした建物のことで、主に2階建て、平面が単純で小さく、正方形に近い建築物を呼ぶことが多い。
鐘楼門は、遠くまで時を知らせるために鐘を高い位置に吊り、寺院の門を兼ねた建物のことで、柱を2層に積み上げた「おかぐら造り」になっている。
そのため、不安定な建築になりやすく、この鐘楼門も四隅に補強柱を入れて、豪雪に対応している。
昭和初期の境内の写真を見ると、以前は茅葺きだったことが判り、その時にはすでに四隅の補強柱を確認することができる。屋根雪降ろしの時や少し強めの風でこの建物は揺れるため、この補強の柱を取り外すことは断念して、雪囲を兼ねる補強の枠組みを設置した。

一間一戸楼門 入母屋造り 桟瓦葺き

工事前 境内から

昭和初期の頃

化粧軒の不朽部を取り替え、越前瓦の桟瓦葺き。

妻側、破風と懸魚

内部の見上げ

補強を格子状に入れて横揺れに対応